ドイツでパイロットが200件以上に及ぶ難民の強制送還を食い止める
ドイツの航空会社のパイロットが、難民申請が却下された亡命希望者たちの搭乗を拒否することで、母国への強制送還を食い止めていたことが明らかになった。
主にアフガニスタンへの送還を拒否
多くのパイロットが、亡命希望者を乗せた運航を拒否したのは、主にアフガニスタンへのフライトだったという。同国は、何年もの戦争と、西側諸国の占領により、今もなお紛争が続いている。
にもかかわらず、ドイツ政府はアフガニスタンを「安全な国」だと見なす場合もあり、亡命申請を却下された難民を送り返しているそうだ。
しかし航空会社によると、パイロットは安全な飛行に影響を与えると判断した場合、それぞれフライトを中止するかどうか個々に決定を下すことできるという。
そこでドイツのパイロットたちが、あえて難民の搭乗を拒否することで、彼らの強制送還を食い止めていたとされている。
「安全な飛行が確保されない可能性がある」ため拒否
今年1月から9月の間、合計222件の予定されていた強制送還が、パイロットによる運航拒否により「失敗」に終わったとみなされている。そのうち140件はフランクフルトの空港で、他はケルンとボン発のフライトだった。
これらのフライトを行っていたのは、主にルフトハンザとその子会社のユーロウィングスだ。
ルフトハンザの広報担当者は、「乗客を搭乗させないという最終的な判断は、パイロットにより個別になされた。」と話している。
その判断の基準は「安全な飛行が確保されない可能性」があるかどうか。しかし実際は、多くの搭乗拒否が、パイロットによる強制送還を食い止めようとする試みだったとみられている。