switch news

不思議、面白い、感動…一歩先行く、海外のニュースをお届けします。

運河から出れなくなったイルカの親子を、水中人垣で助けた【動画】

f:id:switch-news:20190921084444j:plain

Facebook/NOAA Fisheries Service

米国フロリダ州の運河に迷い込んでしまったイルカの親子が、海洋生物学者たちの手で無事に外海に戻された。

 

そのために学者たちが使った手段が意外だ。彼らはイルカを捕獲するのでなく、水中に並んで人垣を作り、イルカを海まで追いやるようにした。

 

運河から出れなくなったイルカの親子

 

フロリダ州セントピーターズバーグの運河にイルカが入り込んでいる——9月15日、フロリダ州魚類・野生生物保存委員会(FWC)にこんな通報が入った。

 

市内のフォッシル公園(Fossil Park)に近い運河のその場所には、確かに2頭の親イルカと2頭の子供のイルカが泳いでいた。4頭とも元気だったので、FWCの専門家たちはそのまま様子を見ることにしたという。潮が満ちてくれば自力で海に戻るだろう、という目算があったらしい。

 

ところが、3日経ってもイルカはその場所から動かない。イルカたちが海に戻るには、近くにある橋の下をくぐらなければならないが、その橋は人が頻繁に行き来するうえに、運河の水面ぎりぎりの高さにある。それが恐くてイルカは橋の下を通れなかったのだろう、とFWCの専門家は言っている。

 

人垣を作ってイルカを押し出すようにした

 

いつまでも運河に居るイルカを海に戻すため、FWCは、アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)、クリアウォーター・マリーン水族館(Clearwater Marine Aquariumf)と協力して、人垣作戦を実施した。運河に入った人たちが一列に並び、イルカを追いやりながら、海への出口であるリビエラ湾まで進んでいくという作戦だ。(下のリンクをおすと動画が見られます)

 

www.facebook.com

網で捕獲しても良いが、そうするとイルカを傷つける可能性がある。加えて、不必要に怯えさせることにもなる。その点人垣は、イルカに与えるストレスが少ない。

 

ボランティアで人垣になったのは、3つの組織の海洋生物学者たち。そのうちの一人、FWCのAndy Garrettさんは海外メディアにこう話す。

 

(最初のうち)イルカは人垣に興味を持って、こちらに寄って来ました。私たちのことをいろいろ調べたかったのでしょう。

 

Garrettさんたちは一斉に水面を手で叩くなどして、音に敏感なイルカを問題の橋の方へ追いやった。イルカたちは橋を通り抜け、その後も人垣に追われながら、45分後には海に帰ったそうだ。(了)

 

ブックマークは本サイトと連動しています。

 このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめ記事

switch-news.com

switch-news.com

switch-news.com

switch-news.com