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史上初めて販売されたクリスマスカードが、英国の博物館で公開

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Instagram/dickensmuseum

英国の文豪チャールズ・ディケンズが、あの有名な作品『クリスマス・キャロル』を執筆したのは1843年。

 

それと同じ頃、英国の発明家であり公務員でもあったHenry Cole卿は、クリスマスカードの商品化に取り組んでいた。当時、クリスマスにグリーティングカードを贈り合うという習慣はなく、商品としてのクリスマスカードも存在していなかった。

 

完成したカードは、同年に1000枚刷られて販売されたが、今も残っているのはたった21枚。その1枚が、ロンドンのチャールズ・ディケンズ博物館の特別展「Beautiful Books: Dickens and the Business of Christmas」で、来年4月まで展示されている。

 

クリスマスのシーンが描かれたリトグラフ

 

歴史上初めてのクリスマスカードとされているそれは、クリスマスの3つのシーンが描かれたリトグラフ(平版画)だ。

 

中央には、家族がテーブルを囲んでクリスマスを祝う楽しい場面。その両側には、貧しい者に衣服や食べ物を与える慈善の場面が配置されている。

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絵柄の上下には、宛名や差出人名を書き込むための、下線付きの空白がある。現代では普通のことだが、当時はこれも珍しかったらしい。

 

この絵を描いたのは、Cole卿から依頼を受けたJohn Callcott Horsleyという画家(1817-1903)。彼は、歴史的な場面を古典的な様式で描く画家として、英国では知られている。

 

商業的には失敗に終わる

 

ディケンズの『クリスマス・キャロル』が出版されたのと同じ、1843年に発売されたこのクリスマスカード。チャールズ・ディケンズ博物館によれば、値段は当時の貨幣で1シリングだったそう。これは、現代の日本円にして数千円に相当するようだ。

 

値段が高かったせいか、カードの売れ行きは振るわず、商業的には失敗。その後5年間、クリスマスカードを作って売ろうとする者は現れなかったそう。ディケンズの小説が大成功を収めたのとは対照的だ。

 

チャールズ・ディケンズ博物館の特別展は、クリスマスの商業化がテーマになっており、『クリスマス・キャロル』の初版本を中心に、クリスマスカードや宝石で装丁されたクリスマス向けの豪華書籍などが展示されている。(了)

 

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