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戦争の恐怖から救うために…娘を楽しませるシリア人の父親の動画が胸を打つ

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Twitter/Ali Mustafa

戦禍に巻き込まれたシリアの街で、娘が怯えないよう、あえて楽しませようとする父親の動画が注目を集めているのをご存知だろうか。

 

娘を怖がらせないためにゲームを思いつく

 

その父親とは、シリアの反政府勢力の拠点、イドリブ県の街、Sarmadāに避難している、Abdullah Mohammadさんだ。

 

この地域では毎日のように空爆などが行われているのだが、彼は3歳になる娘のSelvaちゃんが爆発音に怯えないよう、戦争の悪夢から救うためにあるゲームを思いつく。

 

それは爆発音をおもちゃの鉄砲の音に見立て、近くで音を聞いたら、できる限り大声で笑うというもの。

 

そして公開された動画には、爆発を聞いた時、Selvaちゃんが元気よく笑う姿と、それを優しく見守るAbdullahさんの姿が映っていた。

しかし家のドアの向こうには、戦争という過酷な現実が依然、残ったままだった。

 

映画『ライフ・イズ・ビューティフル』に似ている

 

Abdullahさんは、このゲームを思いついた理由について次のように語っている。

 

「私はSelvaの心理的状態を崩壊させないために、このゲームを娘に教えようと決めたのです。つまり恐怖から来る病気に影響されないためです。娘は子供です。戦争を理解していないのです」

 

またAbdullahさんは「恐ろしい音を楽しいことに変えることで、心の傷を負わないようにしてあげたかった」とも語っている。

 

動画を見たあるユーザーは、このゲームが映画『ライフ・イズ・ビューティフル』のシーンと共通点があると指摘している。

 

ライフ・イズ・ビューティフル』では、ナチス・ドイツの下で迫害を受けるイタリア系ユダヤ人の父親が、強制収容所でも子供に生き延びてもらいたいと願い、常に明るく振る舞い、「これはゲームだ」といって励ます様子が描かれている。そして父親はナチスに連行された時もおどけて見せ、子供を安心させた後、銃殺されてしまう。

 

現在のシリアの状況は?

 

シリアは現在、反政府勢力の最後の拠点となっている北西部のイドリブ県などに対し、アサド政権が後ろ盾であるロシアの支援を受けて攻勢を強めている。

 

アサド大統領は2月17日のテレビ演説で「イドリブやアレッポを解放する戦いは続く」と述べ、反政府勢力の支配地域への攻撃を続ける姿勢を示したという。

 

イドリブ県とその周辺では、アサド政権側と、反政府勢力を支援するトルコ軍との交戦も起き、市民が置かれた状況は日に日に悪化している。



国連はこの日、戦火を逃れようと避難した人はこの2か月余りですでに90万人に上り、多くは女性や子どもだと指摘した。(了)

 

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