人がVRで操作するちょっと怖いロボットが、ローソンとファミマで働き始めた
ファミリーマートとローソンが、商品陳列作業を行うロボットを実際に使い始めたのをご存じだろうか。
「Model-T」という名のそのロボットは、AIによる自律型ロボットではなく、人がVR(バーチャルリアリティ)で操作するタイプ。あくまでも試験的にではあるが、ファミリーマートとローソンのそれぞれ1店舗で稼働し始めている。
商品陳列に特化したロボット
Model-Tを開発したTelexistence社(日本)によれば、これは商品陳列のために生まれたロボットだそう。例えば、狭い場所で作業が行えるよう、特別に自由度の高い関節が用いられており、真空吸引と2指グリッパーを組み合わせた新開発のロボットハンドが、多種多様な形の商品をしっかりグリップするという。
体型はスリムで、顔は精悍なV字形。「身長は7フィート(約2メートル13センチ)」と海外メディアに報じられているので、相当な高身長と言えるだろう。
数キロ離れた場所からVRで操作
操作はVRで行う。手足に装置を付け、ヘッドセットを被った人が何かの動作をすると、ロボットもその通りに動くというわけだ。実際の操作風景がYouTubeに公開されている。
FM POC with Telexistence Model-T
ロボットにはスピーカーとマイクが内蔵されており、店を訪れた客と操作者が会話することもできるらしい。
ファミリーマートの「としまエコミューゼタウン店」(東京都豊島区)では、すでにこのロボットが導入されている。操作が行われているのは店内ではなく、8キロほど離れたTelexistence社の虎ノ門オフィスだ。
最初の段階では、ロボットが店内に姿を見せることはないようだ。バックヤード側から冷蔵ショーケースに補充するペットボトル飲料を担当し、作業速度と精度の検証が行われるとのこと。その後は、おにぎり・サンドイッチ・お弁当などの陳列も行う予定なので、対面する機会があるはずだ。
ファミリーマートは、2022年までに最大20店舗へModel-Tを導入しようとしている。
ローソンは、9月14日から、同日開業の「ローソン Model T 東京ポートシティ竹芝店」でModel-Tを稼働させた。同店でドリンク類を冷蔵ショーケースに補充する様子が撮影され、ツイッターに投稿されている。
Model-Tの導入には、肉体的に負担の大きい陳列作業を人が実際にやらなくて済むという利点がある。また、いちいち店舗に足を運ばずに、1人のスタッフが複数の店舗で作業できるのもメリットだ。(了)
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