知られていない赤いクラゲが見つかる
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の最近の調査で、新種と見られる赤いクラゲが発見された。同庁の公式サイトにその姿を捉えた動画が掲載されている。
円盤型の赤いクラゲ
そのクラゲは平たい円盤型で赤い色をしている。体色の赤いクラゲとしてすでに知られているのはリンゴクラゲだが、こちらは名前の通り形が丸い。
今回見つかった円盤型のものは、リンゴクラゲと同じPoralia属に属する別種と見られている。ちなみに分類学上では、現在Poralia属に属するのはリンゴクラゲ(Poralia rufescens)1種のみということになっている(Wikipedia)。
WOW.
— NOAA Ocean Exploration (@oceanexplorer) 2021年8月6日
This beautiful red jellyfish in genus Poralia may be an undescribed species. It was one of several unknown animals encountered during last #Okeanos water column dive.
Read about one intern's experience in diving into this vast underwater world: https://t.co/1kETv42rfR pic.twitter.com/3XqYTjsmXO
NOAAのブログによれば、このクラゲは「おそらく、学術的な記録には残っていない新種」であるとのこと。現時点では確かでないが、NOAAの研究者が調べたところ、少なくとも海洋生物のデジタルデータベース(「World Register of Marine Species」)には記載がなかったようだ。
深さ700メートルの深海で
NOAAは先月まで、北大西洋でメキシコ湾流近辺の中深海を探索するプロジェクトを実施していた。その目的の1つは、未知の海洋生物を発見すること。研究者によると、深さ200〜1000メートルの中深海層は「トワイライトゾーン」とも言われており、未発見の生物が生息している可能性が高いらしい。
今回の赤いクラゲが見つかったのは、調査期間の終わりに近い7月28日のこと。遠隔操作型の無人潜水機(ROV)に搭載されたカメラが、水深700メートル付近でその姿を捉えた。
このプロジェクトでは、未発見生物の探索のほか、深海サンゴ・海綿の群落に関する調査、海底の地形のマッピング、海洋鉱物が堆積していると考えられる場所の調査などが行われたとのこと。赤いクラゲの他にも、新種と見られる生物がいくつか見つかったそうだ。(了)
ブックマークは本サイトと連携しています。
おすすめ記事